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GPUより18倍高効率なAI特化プロセッサ、サンディア国立研究所が採用

 独SpiNNcloudは6月5日(独時間)、脳の構造から着想を得たAI特化型プロセッサ「SpiNNaker2」が、米国のサンディア国立研究所に採用されたと発表した。

 SpiNNaker2は脳から着想を得て生まれたニューロモーフィックプロセッサ。多数のArmアーキテクチャの低電力プロセッサを用いて、脳のスパイキングニューラルネットワークをシミュレートする。核抑止やAI研究などの分野で研究能力を向上させながら、エネルギー消費を削減する代替コンピューティングアーキテクチャを模索する目的で研究所に納入された。

 システムは、サーバーボードあたり48個のSpiNNaker2チップを集積した並列アーキテクチャを採用。1つのチップには152個のArmベースのコアと専用アクセラレータが搭載されている。

 これにより効率的にイベント駆動型の計算を実現し、従来のGPUと比較して低消費電力で複雑なシミュレーションを可能にするという。同社によれば、その効率はGPUの18倍にのぼるという。

サンディア国立研究所でのインストール時の写真(Credit:Craig Fritz, Sandia National Labs)